アンティオキア県のアニバル・ガビリア知事が、幹線道路の公共工事をめぐる不正契約の疑いで逮捕されました。
検察庁は、幹線道路工事に伴う契約について、主契約の41,000百万ペソ以外に2つの追加工事費用29,000百万ペソが、同県知事在職中の2004年~2007年の間に結ばれたが、この追加工事費用に関して不正契約である疑いが強まったとして、逮捕に踏み切りました。
ガビリア県知事は、自動的に休職状態になり、アンティオキア県は知事不在の状況になります。
不正契約の疑いが強いとされたのは、アンティオキア県のエル・バグレ市と幹線道路を結ぶネチ川にかかる橋梁工事に関してで、2007年12月24日に、16,334百万ペソ(=およそ5億6百万円)の契約がガビリア知事によって締結されました。
当工事契約は、トロンカル・デ・ラ・パス高速道路建設&補修工事に関するもので、アンティオキア県と「ソラーテグループ」の「トロンカル・デ・ラ・パス・コンソーシアム」が契約しました。
このソラーテ・グループのカルロス・ソラーテ氏と娘のパオラ・ソラーテ氏は、ブラジルの建設大手オデブレヒト(※1)とジョイントベンチャーを組んでボゴタの水質汚染に対処するためのトゥンヘロ・カノアストンネル工事(※2)の建設契約での贈収賄疑惑で訴追を受け、娘のパオラ氏は禁錮6年の有期刑、父親のカルロス氏は現在係争中です。
※1 ブラジルの建設大手会社。コロンビアでは政財界とつながりを持ち、贈収賄や違法行為を繰り返した経緯がある。
※2 ボゴタ川の水質汚染に対応するために2009年にはじめられた、カノアス浄水プラントの水をボゴタ市に運ぶ2本のトンネル工事及びその関連工事。古い建設資材が取り出せないなどの問題でたびたび中止になり、現在も建設中。2024年完工予定。契約金額244,000百万ペソ=約756億円。
検察庁は、ガビリア氏が2004~2007年までトロンカル・デ・ラ・パス高速道路建設&補修工事契約の金額等の修正から契約まで積極的にかかわったとみています。具体的には、アンティオキア県の契約担当部長が契約担当者であったにもかかわらず、ガビリア県知事自ら契約に署名している証拠があるためだとしています。
さらに、橋梁工事契約についてはガビリア氏が任期満了4日前に契約手続きを済ませているとし、前渡金の割合、納期遅延の理由等についても全容解明のため捜査を進めるとしています。
COVID-19が拡大する中での大都市を含む県知事が逮捕されたことに対し、ボゴタ市長をはじめ、上・下院議員から批判が出ています。政府と検察は、ñeñepolitica問題で政府に対する批判をかわす狙いでの今回の逮捕だとしています。
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15年以上前にどの監督省庁にも見逃された疑惑でアンティオキア県知事を逮捕するのは、このCOVID-19で緊迫した状況の中で、性急すぎないかと思います。
証拠も署名入りの契約書だけで、逮捕するには弱いのではないのか?という疑問はぬぐえません。今後どのように展開していくか、情報が入り次第お伝えしたいと思います。
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